パステルという画材は、とても光を表現しやすい画材です。
特にパステルアートは、パステルを削ってパウダー状にして塗ることで、消しゴムや練り消しゴムで容易に光を表現することができるのです。これはパステルアートの魅力の一つですね。私はこの『光』の表現が最大の魅力だと思っています。
そんな『光』をテーマに描いた作品を2点、紹介したいと思います。
パステルアート作品『木漏れ日』
用紙 :ミューズ ザ・スケッチ
画材 :ヌーベルカレーパステル
制作年:2016年
夏にぴったりな、爽やかなグリーンの作品を描きたくて、この作品を描きました。
もともと「木漏れ日」という題材は、パステルアートを描き始めた当初からずっと描きたかった題材でした。
以前にも描いたことがあるのですが、なかなか自分の思い描く「木漏れ日」を描くのは難しく、あまり納得のいく作品はできませんでした。
こちらが数年前に描いた「木漏れ日」です。パステルアートを始めてまだ間もない頃の作品です。
こうして比べてみると、全然違いますね^^;
全体的な描き方や使用した色はそんなに変わってないと思いますが、消しゴムのテクニックが身について光の表現の仕方が大きく変わったと思います。
塗り方も違いますね。以前は全体的にもっと淡い感じでした。
制作過程
●下地を塗る
まず、下地を黄色でしっかりと塗りました。051パーマネントイエロー(3)だったと思います。ちょっとうろ覚えです^^;
●背景の色を塗る
下地の上から薄い黄緑を塗って、その上からグリーン系の色を3色ほど使ってグラデーションをつけています。
●葉っぱを描く
葉っぱのステンシルを1枚作って、事務消しゴムで消して葉っぱを描いていきました。ぼかしも事務消しゴムです。練り消しゴムは使用していません。
葉っぱの縁は事務消しゴムの角で消して、ぼかしは事務消しゴムの側面や丸っこくなった部分で消していきました。
本来なら葉っぱの縁をペン型の消しゴムで消して事務消しゴムや練り消しゴムでぼかしていくのですが、面倒くさがりな私は全部事務消しゴムで済ませてしまいました。葉脈と茎はペンタイプの消しゴムで消して描いています。
●光を描く
降り注ぐ光を描きます。
中央の光は事務消しゴムでしっかりと消して、光の周りを練り消しゴムでトントンと叩くように消してぼかし、そこから光の筋を練り消しゴムで消し入れていきました。
葉の隙間からこぼれる光は、ペンタイプの消しゴムで消して練り消しゴムでぼかしています。ところどころ字消し板も使用しました。
数年前にはあまり上手く描けなかった作品ですが、今回は納得のいく作品が出来たと思います(*^^*)
もう一点、『光』をテーマに描いた作品を紹介します。
同じく夏にぴったりな作品です。
パステルアート作品『海に射す光』
用紙 :ミューズ ザ・スケッチ
画材 :ヌーベルカレーパステル
制作年:2016年
『木漏れ日』を描いた後、同じような光の作品で、青い光の絵を描きたいと思ったのがきっかけで、この作品を描きました。
青い光といえば何だろう??と考えて、真っ先に浮かんだのが、真っ青な海に差し込む光でした。
もし、先に『木漏れ日』を描いていなかったら、生まれなかった作品ですね。
制作過程
●下地を塗る
まず、下地を水色でしっかりと塗りました。
●海の色を塗る
海の色は、ブルー系の色を2〜3色重ねて塗り、角の方には113プルシャンブルー(2)を入れてグラデーションをつけています。
●光を描く
海に射し込む光を事務消しゴムで消して、そこから練り消しゴムで無数の光の筋を消し入れました。
『木漏れ日』はやわらかい感じの光でしたが、こちらの作品は鋭い光を意識して描きました。光の筋を細くたくさん描くことで、鋭い光を表現しています。
光の周りには字消し板でマルをたくさん消し入れました。
●泡を描く
最後に、字消し板を使って泡をたくさん描きました。
泡は、事務消しゴムで消した後に綿棒で青と紺色を塗っています。
これが結構面倒で・・・(^_^;)この作品の中で一番大変だった部分ですね。
今回紹介した2作品は、本当にただシンプルに光を描いた作品です。
こういったシンプルな作品は好きです(^-^)
特にグリーンとブルーの絵は好きなので、私の作品は結構グリーンやブルーな感じが多いです。
どちらもの作品も、あまりいろいろ考えずにのびのびと楽しく描くことができました。多少面倒な部分もありましたけど。
光が上手く描けるようになると、パステルアートは本当に楽しいですよ。
作品の幅も広がります。
次は赤い光も描いてみたいなぁーと思っていますが、
赤い光といえば何がありますか??
・・・私は今のところ思いつきません^^;
モチーフは思いつきませんが、赤と言ったらカッコイイ感じのイメージがあるので、カッコイイ光の絵を描いてみたいですね。
何か浮かんだら、描くかもしれません。